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竹下 英文; 石田 一成*; 上石 洋一*; 吉井 文男; 久米 民和
食品照射, 35(1-2), p.49 - 53, 2000/10
最近、絹タンパク質の優れた生理学的な特性が着目され、新しい機能材料としての利用開発が期待されている。特に、人の肌との親和性から、医療材料や化粧品素材への応用が期待され、微粉化は、このような分野においては重要な加工プロセスの一つである。絹繊維は機械的強度が高く、機械的な粉砕のみで微粉末を得ることは困難である。このため微粉化にあたっては、水を加えて凍結固化する、アルカリ処理で脆化させる、あるいは濃厚中性塩水溶液に溶解後乾燥するなどの前処理が必要になる。しかしながら、これら湿式の方法では、溶解-透析-乾燥などの手間や、廃液処理の必要が生じるなど問題が残る。演者らは乾式前処理として放射線照射法の適用を検討し、絹の微粉化に有効な手段であることを示した。
伊藤 均*
食品照射, 35(1-2), p.1 - 6, 2000/09
微生物の放射線感受性は生残菌数を測定する平板培地の種類によって異なることがある。本研究ではヒドロキシラジカル等と酸素の放射線感受性に果たす役割を解明することを目的として異なった種類のラジカル捕捉剤、異なった種類の培養基を用いて放射線感受性の機構について検討した。大腸菌S2株のD値は窒素ガス飽和に比べグリセリン添加で著しく増加したがポリエチレングリコール添加でのD値は無添加系と同じであった。また、一酸化二窒素飽和でのD値は窒素ガス飽和より若干低下する程度であった。また、これらの照射条件では平板培地の種類による差は少なかった。一方、酸素ガス飽和または窒素ガス+蟻酸添加系ではD値は小さくなり培地による感受性の差も大きく認められた。蟻酸共存下ではスーパーオキシドラジカルが発生しており、これらの結果はスーパーオキシドラジカルがDNA損傷ばかりでなく細胞膜障害に関与することを示している。
中馬 誠; 多田 幹郎*; 伊藤 均*
食品照射, 35(1-2), p.35 - 39, 2000/09
大腸菌等の放射線感受性は、その最適生育温度である30または37で測定されることが多い。しかし、放射線処理された肉類または魚介類は10以下で保存されるため、30または37で得られたデータが正確でない可能性がある。事実、鶏肉での結果では低温貯蔵で大腸菌群等の殺菌効果が予想以上に促進される傾向が認められた。本研究ではこれらの現象を明らかにする目的で大腸菌等の各種菌株について放射線感受性を検討した。その結果、各菌株とも30または40でD値が最高になり、20以下ではD値が低減する傾向が認められた。ことに10ではD値は著しく小さくなり、その傾向は菌株によって異なっていた。したがって肉類等の必要殺菌線量も低温貯蔵と組み合わせることにより20~50%低減できることを示している。
Pewlong, W.*; Sudatis, B.*; 竹下 英文; 吉井 文男; 久米 民和
食品照射, 35(1-2), p.54 - 58, 2000/09
絹タンパク質は優れた生理学的な特性を有しており、新しい機能材料としての利用開発が期待されている。そこで、環境汚染防止及び資源のリサイクルに役立てることを目的に、絹タンパク質の放射線加工処理による改質効果に関する検討を行った。絹繊維は、500~2500kGyの照射で引張強度が低下し、とくに酸素存在下での劣化が著しかった。また、絹繊維は水に対して不溶であるが、放射線分解により著しく溶解性が増大した。照射した絹繊維を純水中で121、1時間加熱した場合、酸素中2500kGyで約40%が溶解した。また、0.5N HCl溶液で100、1hの加水分解を行った場合、未照射では約10%しか溶解しなかったが、酸素中2500kGyの照射では70%以上が溶解した。
Lan, K. N.*; Lam, N. D.*; 吉井 文男; 久米 民和
食品照射, 35(1-2), p.40 - 43, 2000/09
ベトナムでは、マンゴーなどの熱帯果実が大量に腐敗し廃棄されている。そこで、マンゴーの保存性改良のため、照射キトサンによるコーティング効果について予備的検討を行ったので、その結果を報告する。キトサンは照射により著しく粘度が低下し、また抗菌活性が増大する。未処理、非照射キトサンコーティング、照射コーティングについて検討した結果、未処理のマンゴーは貯蔵7日で腐敗が始まった。非照射キトサンコーティングでは、15日間ほとんどカビの発生はなかったが、熟成が進まず青いままであった。照射キトサンコーティングでは、15日間の貯蔵期間中カビの発生は完全に抑制され、熟成も進んで食用に適した状態であった。これは、照射キトサンが抗菌性を有していることと、適度なガス透過性(果実の呼吸が可能)によるものと考えられる。